日本の科学力

 

こんにちは、ANDゼミナール(アンドゼミナール)です。ANDゼミナール(アンドゼミナール)は日本橋人形町にある塾です。

 

朝日新聞朝刊で「日本の科学力」という連載記事があります。
科学力というのは、イノベイティブな製品を企業が生み出す力・・・ではありません。
もちろん、そういう側面もありますが、もっと基礎の部分をとらえているようです。

 

日本人としては、1970年代以降、日本の技術力、科学力は世界でもトップクラスだという自負がありますね。ところが実際のところどうでしょうか。

 

ちょっと振り返ってみても70年代、80年代は日本の工業製品には勢いがありました。身の回りを見ても、例えばソニーのウォークマン。当時はカセットテープを使っていましたが、ポータブルで、電車の中だろうが、歩いている途中だろうが、いつでも音楽を聴くことができる画期的な商品でしたね。
またビデオテープの規格、当時はソニー陣営のベータとビクター陣営のVHSが二分していましたが、この2つの規格が世界の統一規格(やがてVHSがこの競争に勝ちましたけど)となっていました。

 

 

それが90年代以降はどう変わったでしょうか。ポータブルオーディオの分野ではmp3という規格でRioが先陣を切ると、AppleのiPodが一気にシェアを伸ばしました。
スマホにしてもタブレットにしてもシェアを伸ばした、あるいは標準規格となったのは日本のメーカーではなく、海外のメーカーですよね。(本来なら、ポータブルオーディオならソニーでしょ、スマホだったらFujitsuとか、タブレットだったらやっぱりソニーか?)

 

こうい商品ではなく、もっと基礎的な分野を見てみましょう。
よく使われる指標に「論文の引用数」というのがあります。日本の研究者の書いた論文が世界中の他の研究者からどのくらい引用されているか、という基礎研究がどのくらい充実しているかという大きな指標になります。どのくらいだと思います?
ここの数字を見ると、2003年~2005年の間、日本人の書いた論文が引用されるのは米英独に続いて4位でした。ところが2013年~2015年では9位に大きく後退しています。

 

日本人研究者はサボっていて論文を書いていない?
いやいや、そんなことはありません。みなさん、一生懸命時間を割いて論文を発表しているんですよ。研究者にとって、自分の業績を発表する数少ない方法が論文ですから。
では、なぜ?

 

ここにも書かれているとおり、一番大きな理由は予算と時間。中国はここ数年間で科学への予算投資が大幅に伸びています。一方、日本はほとんど変わらず(むしろ下がっている感じ。)日本の科学者はそれ以外にもいろいろと雑用が多く、なかなか自分の研究、論文執筆に時間が割けないとか。
この問題はアベマタイムスだけじゃなく、朝日新聞も扱っていますね。10月5日の朝刊では、大学のみならず、企業の論文数も減少していると指摘しています。

 

「そんなことないよ、日本の科学力は今だって世界で第一級だよ」「毎年、日本人の研究者が毎年ノーベル賞を受賞しているじゃないか」とおっしゃる方も多いでしょう。でも、日本での科学研究全体を見ると、世界の中で明らかに後退しているんですよ。

 

今、日本は国を挙げて理数系に力を入れようとしています。その理由は企業が要請しているから。企業としては理数系に秀でた人材がほしい。即戦力となる人材がほしい、それはそれで当然です。でも本来、科学の基礎研究というのは即戦力にならないんですね。

かつて私の同僚がこんなことを言っていました。

生徒は授業中に「物理なんてやって役に立つの?」と質問してくる
 私は迷わず「役に立たない」と答える
 学問というものは、おおよそすぐに役には立たないものだ。
はっきりとこう断言されたそうです。

 

大学の勉強もそうですね。最近は大学の研究も(これは国が予算をつけないという理由もあるんですが)産学協同といって、民間企業にすぐに成果が反映されるような研究が多くなってきた。大学としてもすぐに研究成果が企業の商品となって反映するし、商品の横に○○大学と共同開発なんて入れてもらえればこれはものすごい宣伝効果があります。

 

その結果、役に立たない基礎研究に携わる人が、大学がどんどん減ってしまった。そして研究論文の減少、被引用数の減少につながっていくわけです。

 

かつて(元気の良かった頃の)ホンダでは本田宗一郎さんの指揮の下、直接は役に立たないような研究でもどんどんやらせていたそうです。中には「人魂・火の玉」の研究をするグループが出ました。自動車と人魂?関係なさそうですよね。空気中の希薄な可燃性ガスに火をつける・・・というようなものだったかな?でも、実はこの研究の中で現在の内燃機関の大切な技術、リーンバーンエンジンが生まれる原動力となったんです。すぐには役立たないけど、希薄燃焼という基礎技術研究がその後の大きな飛躍につながるんですね。本当は役に立たないことほど面白い、と私は思うんですけど。

 

さて、ここしばらくの間、経団連作ったが大学生の就職のリールを撤廃する、という話題があります。企業側としては、ルールなどなくして、良い人材を早めにどんどん採用していきたい、年間を通して採用したい、という思惑があるようです。一方、大学生の中には、あまり就職活動が早く始まると本来の学業に集中できない、論文などまとめる時間が取れなくなる、といった不安の声があります。

 

このあたりを見ても、日本の状況が分かりますね。大学生がしっかりと勉強・研究できる環境を作ればよいと思うのですが、大手企業としては、人材確保の方が先に回ってしまう。当面はこれでうまくいくのかもしれませんが、長期的に見れば、ますます日本の基礎的な科学力が後退することにつながらないでしょうか。

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