漢字ミュージアムへのお誘い


こんにちは、ANDゼミナール(アンドゼミナール)です。ANDゼミナール(アンドゼミナール)は日本橋人形町にある塾です。

 

今朝の朝日新聞にこんな記事がありました。

 

漢字ミュージアム 「諸橋」5万字 タワー圧巻

 

京都は八坂神社の近くにある「漢字ミュージアム」の紹介です。2016年6月にオープンしたそうです。漢字の博物館、と聞くと、それだけでなんだか堅苦しそうなイメージを持ってしまいますね。元は中学校だった敷地に建てられています。

 

入館すると最初に目に飛び込んでくるのが「清水寺の管主」が揮毫した「今年の漢字」の書です。(ちなみに「今年の漢字」って漢検協会が商標登録してたってご存知でした?)

 

それから漢字の変遷を示した絵巻風の展示から、木版・活版と印刷に使われた機械などが展示されています。面白いのが「甲骨文字テーブル。」これはいくつか文字が書かれた石のような展示なのですが、手をかざすと甲骨文字が浮き上がる仕掛け。甲骨文字による占いやら、歴史の教科書に出てきた「金印」の複製品やら、万葉仮名やら、漢字に興味がある人もない人も、いろいろ楽しめるミュージアムです。

 

ここに諸橋轍次の編んだ「大漢和辞典」に掲載されている親字5万字が展示されています。それも1階から2階につながるエレベーターの壁面一杯-タワーのように-に5万字が貼り付けられているんです。

 

昨今は高校生でも漢和辞典を手にしなくなっているようです。電子辞書で事足りるから。漢和辞典は国語辞典と違ってなかなか引くのが難しい。画数でしらべたり、音訓で調べたり、部首で調べたり。だったら電子辞書の方が楽じゃん、という話。

 

諸橋轍次は大修館からの依頼でこの大漢和辞典の編纂に取り掛かりました。世界最大の漢和辞典です。漢字の本家、中国にもない超大作です。

 

本当の辞書を編纂するというのは、もちろん大変な作業と言うのは当たり前なのですが、ここから副次的に非常に多くの情報・資料が出てきます。

 

例えば英語の最大の辞書、Oxford English Dictionary(通称OED)があります。これは全20巻、補遺3巻、約600,000語を収容する単一言語の辞書としては世界最大とギネスが認定している辞書です。この辞書の特徴は、単語を調べると、単語の歴史順(つまり古い順)に意味が掲載され、さらにその語源、初出年代(最初に使われたと記録が残っているのがいつごろなのか)、他の言語との関連などとても幅広い情報が網羅されています。

 

この辞書の編纂を元に「語源辞典」が作られたり、「中世英語辞典」が作られたり、意味変化を調べるときの信頼できる資料になったりと、その後の研究に大きな影響を与えました。

 

 

諸橋轍次の大漢和辞典も同様です。多くの資料を集め、その中から確かなものを抜き出して編纂しています。漢籍(中国の古典)を読むために漢籍に残っている漢字・熟語をとことん調べ上げています。完成までに70年以上をかけ、完成の折には、本家中国から500セットの注文が入ったそうです。

 

この完成に寄せて作家の井上靖は「諸橋さんの『大漢和辞典』の一冊を書架から抜き出し、どこでもいいから開く。・・・世の中に、これほど贅沢な時間の過ごし方はないだろうと思う」と書いていらっしゃいます。

 

井上靖ほどの人になると、まさに「辞書を読んでいた」んですね。あの「大漢和」を。

 

以前忍足金四郎先生のお宅にお邪魔した折、書棚のOEDに多数の付箋が挟まっていました。伺うと「これは全部OEDの誤記・誤植だよ」とおっしゃっていました。忍足先生もOEDを読んでいらした、ということです。スゴイ。

 

大漢和辞典にも載っていない漢字があるそうです。でもそれは漢籍には残っていない・・・つまり出典が中国ではなく、日本で作られた漢字(変な表現ですが)つまりは「国字」ということになります。[峠・辻などが国字です。]

 

また大漢和にも載っていない熟語があるそうです。こちらも漢籍には残っていない、日本で独自に作られた熟語[つまりは婚活やら終活などの類]の可能性が高いとのこと。
それだけ大漢和辞典の信頼性が高いということですね。

 

わたしはこの大漢和辞典を一出版社の社長が企画したということに驚いています。時代が時代と言うこともあるのでしょうが、ビジネス的にみて、儲かるとはとても思えないですよね。でも作るのが使命だと考えた。諸橋轍次も同様ですね。OEDはある面ビジネス的には成功しましたが、作る段階では儲かるとは思っていなかったようです。(このあたりCaught in the web of wordsを参照してください。)でも作るのが使命と感じた。そして、一つの会社の書籍と言うよりは世界の文化財産となっているわけです。

 

日本はこの諸橋轍次の大漢和辞典のことをもっと誇りにしても良いと思います。存在すら知らない人が増えてしまってとても残念。この新聞記事を機に、京都へ出向いた折にはぜひ「漢字ミュージアム」を訪ね、大漢和編纂の苦労と諸橋の業績を思い出してみてほしいと思います。

 

大漢和辞典の紹介
[気象予報士さんが執筆「漢字の世界の広さに驚く-デジタル化できない『大漢和辞典』」]

[あとがき愛読党ブログ「大漢和のあとがきは史上最高」]
[本家・大修館「漢字文化資料館」]

 

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